すでに就活中の人は実感されているかもしれませんが、既卒者が大手企業から内定を得る為にはかなりの苦戦が予想されますよね。ですが、可能性がゼロというわけではありません。
結論から言うと、既卒でも大企業に入社することは可能です。
そこで、既卒者が大手企業から内定を得る確率を少しでも上げる為のコツをご紹介します。
1.既卒でも採用している大企業は?
まずは、既卒の募集をしている大企業をいくつか見てみましょう。
既卒でもエントリーできる大企業
例えば、こんな有名(大手)企業が既卒者の応募を受付ています。
基本的に、「応募資格」欄で、「実務経験〇年以上」というような記載がなければ、既卒でもエントリー可能と判断していただいてよいと思います。
【募集対象】
新卒・既卒で就業経験無し(応募時30歳以下かつ入社時18歳以上)
【新卒採用】
入社時30歳未満の新卒/既卒/就業者
【応募資格】
基礎的なパソコンスキル(Excel、Word、Power Point)
※未経験者歓迎、学歴不問
※経験者優遇
【応募条件】
高校卒業以上
【既卒の方】
大学・大学院等を卒業・修了後、3年以内の方は新卒としてご応募可能。
それ以前に卒業された人は中途採用。
今を時めく大企業でも、意外に既卒の採用をしていることがわかっていただけたと思います。
2109年4月現在の日本は、空前の人手不足で、有効求人倍率がバブル期の水準まで高くなっており、企業側もかなり採用ハードルを下げているケースが増えています。
一つ一つHPなどを調べていけば、意外に社会人経験を問わず、人物や能力重視で採用をしていることがわかると思います。
2.大企業に採用をもらうためのコツ
とはいえ、大企業の求人は人気がありますので、やはり中小企業と比べて倍率が高く、その分難易度は上がってきます。
また現実は厳しく、大企業の募集要項を見ると、学歴が大卒になっていたり、さらにその中でもランクが「MARCH」や「日東駒専」クラスでないと、応募すらできない、ということがまだまだあります。
学歴をあまり重要視せず、それ以外の部分見てくれる会社もありますが、倍率はさらに上がっていくでしょう。
そんな中、どうすれば大企業への就職を勝ち取れるのか、そのコツをお話していきます。
■コツその① 企業研究&自己分析&面接
そのコツは、ズバリ、企業研究、自己分析、面接など、基本的なことをしっかりすることにつきます。企業研究や自己分析をすることは、面接で活きてきます。面接をする際に、必ず聞かれるのが「志望動機」ですが、大企業に応募した面接者が、志望動機にあげがちなのが、「大企業だから安定している(福利厚生がしっかりしている)」という類の内容です。
はっきり言うと、人事担当者はそんなこと聞き飽きています。
そのうえ、大企業で安定しているから入社したい、ということは、言い方を変えると、会社に養ってほしい、ということです。
会社は、あなたを養いたくて採用するわけではありません。
自分の能力をフルに使ってに、会社をさらに大きくしていくような人材、つまり会社を養っていく人材を欲しているのです。
そのため、志望動機には、しっかり企業研究と自己分析をしたうえで、その企業に対して、自分のどのような能力が貢献できるのか、という内容を述べることが必要です。
しかし、”自分にはそんな貢献できるような能力はない”という人もいるでしょう。
そういう人は、企業研究と自己分析をした中で、企業の方針や業務内容、社風などを、自分の特性とを照らし合わせて、「貴社の業務はやりがいに感じられる仕事である、そのため努力を惜しまず、常に成長して、長く貢献していきたい」という思いを伝えるのが良いと思います。
また、面接の中で「秀でた何か(けん玉日本一etc)」や「人とは違う経験(日本縦断自転車の旅etc)」を持っている人は、必ずアピールしましょう。人事担当者も人間ですので印象に残るか残らないかは結構重要です。特にベンチャー系の大企業には、刺さりやすいと思います。
■コツその② 狙い目の職種や業種で攻める
有効求人倍率には、職種や業種ごとにかなり偏りがあります。
人手不足をあまり感じていない会社では、やはりまだ既卒だと採用されづらい傾向にありますが、なんとしてでも採用しなければいけない状況におかれている会社は、新卒や、即戦力のキャリア採用に、こだわってなどいられませんので、既卒にもチャンスが多くなります。
つまり、大企業でも有効求人倍率の高い(人気のない)職種や業種の求人に応募すれば、自然と採用されやすくなるのです。
少し自分の個性を無視したやり方かもしれませんが、一つの考え方としては、アリだと思います。また、大企業は異動がありますので、入社してしっかりと実績を積めば、数年後には自分の希望の職種に就けたり、やりたい業種のグループ会社に出向になったりする可能性も、ゼロではありませんしね。
- 人気のない職種:販売、サービス、保安、営業、介護等 ※シフト制の仕事や、体力や精神力を使う仕事
- 人手不足の職種:ITエンジニア、プログラマー ※専門的な技術が必要な仕事
また、これは人材紹関係の業界で仕事をしている私の個人的な見解ですが、不人気な業種は、移動体通信(携帯販売)や、コールセンター、人材派遣、不動産、広告、保険などですね。
このような業界は、未経験の既卒でも比較的、大企業への入社が望めると思います。
■コツその③ 資格やアルバイトでの実務経験がある(身に付ける)
また、既卒で最も大きなビハインドは、即戦力になれない、ということです。
少しでも大企業の採用に近づくには、アルバイトでもいいので実務経験がある職種や業種を選ぶことです。例えばアルバイトでも、アパレル販売に従事していた人であれば、前述のユニクロ(ファーストリテイリング)や、ZOZOの業務と親和性が高いので、即戦力になると判断されやすいため、採用率も上がります。
また、特殊な技術や資格を要する、かつ人手不足な職種(SEやプログラマー等)は、スキルさえあれば、意外と既卒でも学歴関係なく、採用されやすいと聞きます。
もし時間と資金に少し余裕があるなら、スクールなどに通ってスキルを養い、クラウドソーシングやアルバイトで実績や実務経験を積んで、大企業にトライする、という手もあると思います。
3.道筋はいろいろある
先にあげた方法のほかにも、大企業へのルートは意外に多くあります。
中小で就職→大企業へ転職というルートは可能か
中小企業で就職し、大企業への転職というルートは、結論から言うと可能です。というか、この方法が最も堅実かもしれません。
私の周囲の人間も、このようなルートで大企業に入社した例は、かなり多いです。
まずは、既卒採用をしている中小企業に入社し、3年~5年経験と実績を積んでから、同じ職種や業種で、大企業に転職するという戦略です。
一点デメリットとしては、年齢が20代後半の人には、あまり時間が残されていないので、早く結果を出し、スキルを積まないといけません。年齢に比例した能力や経験がないと、転職の際に、不利に働く場合がありますので。
20代前半から中盤の方には、おすすめの方法です。
契約社員・派遣社員から正社員登用というストーリー
契約社員や、派遣社員で入社し、正社員に登用という方法も現実に可能です。
私の知っている人も、某大手商社グループ会社に派遣社員で入社し、2年程度で正社員登用され、いまは管理職として活躍している方がいます。
派遣社員や、契約社員であれば、正社員と比較して入社のハードルが低いため、容易に大企業に入社できます。
一度入社してしまえば、あとは実力の勝負です。結果を出して、その会社にいなくてはならない存在になれば、企業側としても、なんとしてでも辞めさせないようにするために、正社員登用もするでしょう。(もちろん給与も上げるでしょう。)
一点、注意しなければいけないのは、その会社に、派遣社員・契約社員から、正社員登用された前例がどのくらいあるのか、を事前に確認することです。
前例があっても、過去10年で一人しかいないのであれば、望みはかなり薄くなります。
そのような突っ込んだ情報は、面接で直接聞いてもいいと思いますが、派遣会社や紹介会社経由であれば、そのコンサルタントに、ゆくゆくは正社員になりたい旨を伝え、前例を確認すれば、誠実な会社なら教えてくれます。
ただ、この方法も、年齢面が正社員登用の際ビハインドになる可能性がありますので、逆算し、しっかり計画を立てて、臨むことをお勧めします。
就職エージェントで扱っている大企業案件
「この会社に入りたい」という明確な目標を持っている方は、前述したように、入社したい企業を狙い撃ちして調べればよいのですが、そういう会社がない場合、企業のHPや、就職サイトを一つ一つ調べて、既卒で採用しているかどうか確認していくのは、かなり大変だと思います。
また、年齢的にも、中小企業経由での大企業転職や、派遣社員・契約社員からの正社員登用など、時間がかかる戦略は取れない、という方もいらっしゃると思います。
そのような人に、オススメの方法は、既卒向け就職エージェントのサイトで、大企業の求人を検索し、エントリをすることです。
既卒向けエージェントに求人依頼をしている企業は、その時点で既卒への門戸を開いているということになりますので、おのずと採用率も高くなるというメリットもあります。
エージェントの求人サイトでは、「大企業」という検索軸で、絞り込みをかけられるところもあるので、自己分析や面接対策を含め、エージェントをうまく活用しながら、大企業への就職に向けて頑張っていってくださいね。